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Claude CodeのスキルでWeb制作の再現性を上げる——Nothing Design Skillに学ぶAI活用
スキルファイル1つで、ディレクターがデザインを動かせるようになる話

スキル(主に SKILL.md+references/)にルールを閉じ込めると、毎回の口頭説明が減り、再現性が上がりやすいです。Storybookの代わりではなく、方針とトークンを固める前工程として使い、実装が固まったらStorybookで人間向けに見せる、という併用が現実的です。
スキルは品質を保証する魔法ではなく、解釈の余地を減らす拘束条件です。美的判断やAccessibility・性能の最終責任は、引き続き人間側に残ります。
はじめに
Web担当者の方のなかには、AIをどの業務から入れるか分からない、ツールが多く整理できないといった悩みも多いでしょう。私も、生成AIにUIを作らせるときは、だいたい同じ壁に当たります。指示が毎回ちがい、出力も毎回ちがう。
この記事では、ルールをファイル化し、必要なときだけ読み込ませるというスキルの考え方と、Nothing Design Skillから学べる設計、私の進め方を短くまとめます。
Claude Codeの「スキル」とは
必要なのはフォルダ1つ:手順書+参照資料で、中心は SKILL.md です。YAMLで名前と「いつ使うか」を書き、本文に原則・手順・禁止事項。詳細は references/ に分けるのが一般的です。
読み込みは段階的です。まず名前と説明だけ、タスクが合致したら本文、必要なら tokens.md や components.md を開く。巨大ガイドを毎回コンテキストに載せ続けにくい設計です。
Storybookは「できたコンポーネントを人が見る」ツール。スキルは「まだ形が薄い段階で、AIに守らせるルールを先に固定する」道具です。スキルで固める → 生成した実装をStorybookに載せる順が強いことが多いです。
トリガーを「Nothing style」のように明示的に絞ると、汎用UIで誤爆しにくくなります。チームでは依頼文の型を短く共通化すると安定しやすいです。
Nothing Design Skillから読み取れる設計
公開構成のイメージは、SKILL.md(トリガー・ワークフロー・禁止に近い記述)、references/components.md、references/tokens.md です。
私が強く感じるのは三層です。哲学(なぜそう見せるか)、禁止事項(やるな)、数値(トークン・コンポーネント仕様)。生成AIは装飾で余白を埋めやすいので、禁止の列挙がガードレールになります。「破るのは1箇所だけ」のように逸脱を一点に限定するルールも、再現性と署名の両立に効きます。
禁止事項は、最初から完璧な理想ではなく、生成が外れたログを1行ずつ足していくイメージで十分です。最新の文言は必ず原典のリポジトリで確認してください(本稿は要約です)。
なぜ「きれい」に見えやすいか
色を減らす、タイポで階層を作る、破る所を1つに限定する——この三つが揃うと、画面がすっきり見えやすい、という理解で足ります。
自分でスキルを育てるとき
最初は雑でよい(背景・フォント方針・禁止3つ程度)。動かしてブレたら禁止か数値を1行足すのが最短ループです。
スクリーンショットについて
スクリーンショットはAIに渡して、生成や逆生成(トークン案の書き出しなど)までそのまま回しています。 ただし「参考にして」一言だけだと解釈のブレは残りやすいので、出力を見たうえでズレを数値と禁止事項に言語化し、tokens.md や SKILL.md に書き戻す、という二段構えにしています。スクショは入口、資産になるのはファイルに残ったルール、という整理です。
数値には短い理由を添えると、次の判断のブレが減ります。コードを細かくいじるループより、言語化してスキルに返すループに時間を寄せた方が、トータルでは速くなりやすいです。待ち時間は、次の禁止案を書く時間に回せます。
サイトリニューアルでの使い方
既存画面を材料にトークン初稿を出すのは有効ですが、数値の最終責任は人間に置くのが安全です。生成 → 違和感 → 言語化 → スキルへ書き戻しを回さないと、次のページで同じズレが再発します。トークンと禁止が安定したら、同じルールでページを量産しやすくなります。
初月の型としては、画面を数枚切り取り嫌い/残したいを各3つに言語化 → トークン案を出して検算 → 一覧など別テンプレでも同じスキルで試し、破綻を禁止に戻す、程度で十分です。
ワークフローが変わりうる点
従来の「要件 → デザイン → 承認 → 実装」に対し、ディレクターがスキルと生成で方向・バリエーションを先に出し、デザイナーがブランドとUXを精査し、コーダーが基盤・性能・A11y・CMSを担う形が現実味を帯びます。変わるのは肩書きより誰が最初に「こうする」と決めるかだと私は考えます。万能ではなく、スキル+Storybook+人間レビューの三段が現実解です。
おわりに
減るのは、毎回ゼロから説明して毎回ちがうUIになる作業の比重です。残るのは美しさと迷いの判断、本番水準へのレビュー眼です。スキルは道具です。
まず SKILL.md に10行、同じ画面を2回生成して差分に1行足す——そこからで十分始められます。記述は最初のものと照合し、検証の癖を付けてください。✍️
これで、会社概要やお問い合わせページなどをテキストで伝えるだけで、スキルで固めたデザインルールに準拠したページが、AIによって自動生成されます。

参考URL(出典明記用)
執筆者
astroboy
Webデザイナー&コーダー。HTML/CSS/JavaScript/Vue.js/WebGL/ECサイトなど手広くWeb制作に従事する。現在は東京で活動中。